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なんてんcafeのこと



 

「人は流動的なのに建物はずっとここにいる。

私たちは自由だけれど建物はなんて切ないんだろう」

 

なんてんcafeでスタッフミーティングのあと

ふとそんな話になった。

 

ここ数日、私はずっとなんてんcafeのことを考えていた。

「このカフェはどうなるのか。

どうなっていくのがいいことなのか。」

 

私がなんてんcafeの店長になったいきさつを、少しお話させていただきたい。

私は2008年に大学を卒業し、就職のため東京要町に越してきた。

その家の裏にこのなんてんcafeの母体である鯰組(当時吉川の鯰)が誕生。

 

なんてんcafeは2010年5月15日(土)にOPEN。

当時の店長を今でも覚えている。

色が白くて笑顔が素敵で、ちょっと毒もありそうな素敵なお姉さん。

私は家の裏のこのカフェに通った。

家の裏なら家でのんびりしたらいいのにわざわざここで本を読んだ。

コーヒーを飲んだ。

それくらいこの空間は魅力的だった。

古い家なので隙間風が通る。建築会社が作ったcafeだけあって凛としている。

なのに人をはねのける冷たさが無いのは、

65年以上前からたくさんの人を受け入れてきた空間だからかもしれない。

家族が育ち、出て、そして建築事務所が入り、カフェになった。

私はこのカフェが好きすぎて、その思いを持っていたA4ルーズリーフにしたためた。

その時に書いたラブレターがご縁で、なんてんcafeの店長になった。

 

OPENから紆余曲折を経て、

今のなんてんcafeはアルバイトスタッフに支えられて立っている。

皆いずれ自分の店を持ちたいとやる気のある人ばかり。

 

ということは

いつかみんななんてんcafeを去ってしまう。

 

とはいえ

別に寂しいとは思わない。

私自身流れるように(引っ張られるように)この会社に入り

(私は鯰組の広報となんてんcafeの店長を兼任しております)

2代目店長が辞める時に手を挙げてなんてんcafeの店長になった。

3代目の店長がすでに3年の間に誕生しているのだから

私が去ったっておかしくない。

 

ただ

私が大変でも店長に立候補した理由はひとつ

「この雰囲気を変えてしまいたくない」ということ。

その思いが私が去ることによって消えてしまうのであれば

なんだかとても自分がやっていることが無意味なように思える。

平日8時から夜まで働いて

お休みの日にも出勤することもあって。

そこまでして何がしたいのか。ということになる。

何かこの子(冒頭のセリフを言ったスタッフがよくモノを擬人化して言う)のために

残せるものはないかしら。

 

「ここに集まる人はみんないい人ですね」

と、最近入った新しいスタッフが言ってくれる。

「ここはパワースポットですね!」

と、今年なんてんを卒業して就職したアルバイトの子が言ってくれる。

そんな感じが嬉しい。

 



もとの話に戻ると

人はこうやって出たり入ったり

自由に動いてこのカフェから何かを得て出ていくのだけれど

建物はそこにとどまり続けなければならない。

 

たまたま鯰組が入って

取り壊さずいいところを残して新しく生まれ変わったけれど

リノベーションなんて嫌いな人が入ってしまったら

この建物は消えてしまっていたかもしれない。

建物を生かすも壊すも人次第。

 

「このカフェは効率が悪すぎます、潰しましょう」

「汚れがついてしまうので、汚れが落ちやすいようビニールクロスを貼りましょう」

なんてされたらかわいそうだ。

 

同様に

「今のカフェのままでは効率が悪いので、ドリップコーヒーをやめましょう」

「業務用食材を使って仕込み時間を短縮し人件費を下げましょう」

と、今までの店長たちが作ってきた雰囲気を壊すようなことになっても悲しい。

 

私も一生店長をやるとは限らない。

でも

せめてどんな考え方がこのカフェにあったのか

どんな人がここを通過して行ったのか

どんな気持ちで、どんな顔でみんな働いて

どんな料理が出ていたのか。

そんなものをちゃんと残していかなければ。

この建物を切ない建物にしてはいけない。

 

そう思ってこのサボっていたブログを再開しました。



 

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